スクイズ失敗、プロ初ホームラン、プロ初サヨナラヒットと、岡崎が日ハム３連戦の話題を全部かっさらった。
小野が梅野と初めてバッテリーを組んだ。ここまで２度の登板で５回もたなかったので、５回３失点なら合格点と思っていた。それが意外にも７回２失点の好投。三振も７つ奪った。何と言っても球数が僅か１０３球というのがいい。課題だった変化球のコントロールが安定し、梅野も配球を組み立てやすかったんちゃうかな。
６回にレアードと中田に連続タイムリーを打たれてしまったものの、７回には気持ちを切替えて三者凡退に打ち取った。しっかりと試合を作った事が延長サヨナラに繋がった。
投げている間に打線の援護が１点しかなかったので勝ち投手にはなれなかったが、これだけ投げられれば初勝利もそう遠くないと思う。
９回の攻防はまさに譲り合い。ベースカバーに入り忘れるミスとバッテリーエラーで追加点を献上すると、日ハムは増井が３連続四球を出して無死満塁をプレゼントしてくれた。糸原の内野ゴロ、代打原口のタイムリーで同点にまではするものの、後は結構ですと、その後の１死１・２塁のチャンスを逃す。
延長１１回裏、甲子園の魔物が降りて来て、あり得ないプレーや判定が連発する。
先頭の大和が四球を選んで出塁。鳥谷の送りバントはキャッチャー前に落ちる失敗バントだったが、キャッチャー大野の２塁送球が高くなってオールセーフ。代打北條も送りバント。３塁塁審嶋田の誤審で、大和が３塁でアウトになって１死１・２塁。続く原口は初球をショートゴロ。これで終わったと思った瞬間、なんとセカンド石井が落球して１死満塁になった。
そして、途中出場の岡崎に打席が回って来た。この場面で打席が回って来る事自体、何か運を持っている。
２球ボールで押し出しを期待するが、３球目を空振り、４球目ファールで追い込まれてしまう。しかし、ここからファールで４球粘り、９球目にボールを選んでフルカウントまで持ち込んだ。ここからアウトコースのストレートに必死で喰らいついて３球ファールにする。１３球目のインコースのストレート、これを待っていたかのように思い切り引っ張ると、打球は３塁線を破ってレフトへ転がった。
前日に金本監督が「もう一回ぐらい見せてほしい」と言ったのを実践し、「彼は人生変わってきた」と言わしめた。
岡崎は、皆からの祝福の水を浴びたあと、ベンチ前の金本監督に抱きついた。金本監督は岡崎のヘルメットを荒っぽく取り、頭を強くゴシゴシと撫でた。今シーズンで一番印象的なシーンだった。
