昭和の時代には数々の名勝負があったけど、今ではそんなのも無くなったなあ。並外れた潜在能力を持っている2人の対決は、見ていて楽しかった。
打線は武田勝の立ち上がりに襲いかかり、初回いきなりの6得点。
1死から大和が四球を選ぶと、鳥谷がヒットで繋ぐ。そこからマートン、新井、良太、浅井が揃ってライト前にタイムリー。どうやら右方向に打てという指示が出ていたらしい。今シーズンは打撃コーチが明確な指示をして、それがチームとして徹底出来ているところがいい。
とどめは藤井のレフトオーバーのタイムリーツーベース。来た球を逆らわずに打ったと言ってるけど、あれは配球を読んでたんとちゃうかな。
4回には鳥谷のタイムリーで1点を追加し、復帰初戦の藤浪に大量援護をプレゼント。
こうなると、試合の見どころは藤浪がどんなピッチングを見せてくれるかということと、大谷とのライバル対決に絞られる。
藤浪は21日の育成試合では3回を5安打3失点。しばらく実戦から離れていたことで、フォームがバラバラになっていたらしい。それを僅かな期間で修正してのマウンド。
球のキレが悪かったのかほとんど三振は奪えず、ボールも高かったように見えた。
2回に大阪桐蔭の先輩の中田にツーベースを打たれると、2死から今浪にタイムリーを打たれて1点を返される。その後も毎回ランナーを背負ってのピッチングだったが、落ち着いたマウンド捌きで追加点は与えなかった。
本調子でないのに関わらず、7回を1失点でまとめる見事な内容だった。
注目の大谷との対決は3打数2安打で大谷の勝ち。
1打席目は2回無死2塁の場面。アウトコースのカットボールでレフトフライに打ち取った。
2打席目、3打席目は共にランナーなしでの対決。4回はアウトコースのストレートを大谷がレフト前へ運び、マートンが油断している間にツーベースにされた。6回は高めのストレートをセンターの右へ弾き返され、ゴロで右中間を突破するツーベースになった。どんだけ打球が速いねん。
2回のランナーを置いての場面はともかく、その後のストレート勝負は見ていて気持ちがよかった。
それにしても大谷の打球の速さや隙を突いた走塁、加えて1回に見せたライトからホームへのストライク返球は凄かった。投手かバッターかのどちらかに絞った方がいいと言う解説者が多いが、本人が言い出すまで二刀流を続けさせてやって欲しい。