鳥谷が１打席目にあっさりと通算２０００本安打を達成。試合も中盤以降は阪神ペースで進み、鳥谷の偉業を飾ると共に、連敗も止めた。
前日の試合の最終打席であと１本に迫るヒットを打ち、この日も１打席目であっさり決めそうな雰囲気はあった。２点ビハインドで迎えた２回、四球の中谷を１塁に置いて左中間へタイムリーツーベース。セカンド柴田のグラブの先を掠めてフェンス際まで到達する、鳥谷らしい鋭い打球だった。記録のためのヒットではなく、ビハインドの試合をひっくり返す、流れを呼び込む一打だったのも鳥谷らしい。
生え抜きで２０００本安打を達成したのは藤田平に次いで２人目。阪神の選手で甲子園で達成したのは初めて。球団史に残る偉業なんやから、鳥谷のプレートを作って甲子園に飾ったらええんちゃうかな。
ちなみに、甲子園で２０００本安打を達成した選手は王貞治と若松勉に続く３人目らしい。皆が背番号１で左バッターというのは不思議やね。
試合後のインタビューでは特別にはしゃぐ訳でもなく、少し笑顔を見せて淡々と語るだけ。もうちょっと喜んでもよかったと思うが、このスタンスだからこそ連続試合出場を続けられ、２０００本を達成できたんやからしゃあないか。
能見が６回を３失点。序盤は主審とゾーンが合わず、毎回失点の苦しいピッチングを強いられたが、４回以降は立ち直って、一人のランナーも出さなかった。これ以上負けを続ける訳にはいかない。ましてや鳥谷が記録を達成した試合。ベテランらしく修正して試合を作った。
坂本が３安打４打点。２回、鳥谷の記録達成の興奮が冷めやらぬうちにレフトポール際へ逆転ツーラン。７回には勝ち越しの足掛かりになるセンター前ヒット。そして８回にはダメ押しの２点タイムリー。打率も２割７分４厘。キャッチャーでこれだけ打てば上等。リード面でも序盤不安定だった能見を見事に立ち直らせた。
