9回表が始まろうとする甲子園。リンドバーグの曲が流れる中、リリーフカーに乗って球児が登場。
4年前まで見慣れた光景が、これほどにも早く再現されるとは思わんかった。
新日鐵住金鹿島コンビの好投も、終盤のピンチでの安藤のビシエド切りも、すべて球児に持って行かれたね。
オープン戦のときの球児は球速こそ出てなかったが、打たせて取るピッチングで先発復帰をアピールした。ところが、蓋を開けてみるとスタミナの問題に直面し、よくて5回を投げ切るのがやっとの状態。
中継ぎに転向して1試合登板したが、ここでも球威、制球ともに十分でなく、いったんファームで1から作り直さんとアカンのとちゃうかと思っていた。
それが1点差の9回にクローザーでの登板。今シーズンこれまでのピッチングで1点差は厳しい。そう思ったのは自分だけではなかった筈。
最初のバッター堂上に対して3球連続でボール。ストレートには力があるように見えたが、それでもコントロールの不安は拭えなかった。しかし、その後フルカウントにすると、最後は高めボール球のストレートで三振を奪った。
亀沢もストレート勝負でセカンドゴロに打ち取る。
最後のバッタ野本の3球目、真ん中高めのストレートで空振りを奪い、4球目振り遅れのレフトフライに仕留めた。
球速こそ140キロ台だったが、空振りを取った2球は、まちがいなく火の球ストレート。
球児が球児らしいピッチングを見せられる場は、やはりここしかない。
横山、石崎のコンビで7回を1失点。2点差の6回に、横山が1死1・2塁のピンチを迎えたところで石崎にスイッチ。
石崎はビシエドから三振を奪うと、ナニータはファーストゴロに打ち取ってピンチを切り抜けた。
イニングまたぎの7回もしっかりと三者凡退に抑えた。
これまで出番が少なかったのが不思議やね。調子のいいときはどんどん使って欲しい。
打線は2回に板山のツーベース、原口のレフト前タイムリーで先制。
同点に追いつかれた直後の4回には、1死満塁から鳥谷の犠牲フライで勝ち越す。
そして5回にはゴメスの1発でリードを2点に広げた。
もうちょっと山井を打ち込んでいてもおかしくなかったので、3点でははちょっと不満が残る。