この日も１−１の同点で試合が進み、延長戦が見えてくるような緊迫した展開となった。しかし、9回表に送りバントが相手のエラーを誘うプレーが2つも重なり、一挙に４点を奪って快勝した。
序盤は伊原と松葉の投げ合い。５回に坂本のスクイズでようやく1点を先制したが、その裏、伊原が３連打を浴びてすぐに同点に追いつかれた。その後は８回まで両チーム無得点で進んだ。
伊原は５回の失点を除けば素晴らしいピッチングだった。技術面では特に不安はなさそうだ。ただ、初回と5回のように、２死からランナーを出してピンチを招く場面があった。いずれも一息ついたようなタイミングでの乱れで、メンタル面にはまだ成長の余地があるかもしれない。
一方の打線は松葉を攻めながらも、なかなか得点に結びつけられなかった。四球やエラーも含めて１２人のランナーを出しながら、8回まで得点はわずか1点。そんな中で坂本にスクイズのサインを出した判断は的確だったと思う。
そして迎えた9回。先頭の熊谷がヒットで出塁し、木浪が送りバント。これをマルテが一塁へ悪送球し、無死２・３塁に。続く坂本が２点タイムリーツーベースを放ち勝ち越しに成功。さらに島田がバントを試みると、これもマルテが再び悪送球し、坂本が生還。近本の内野ゴロと中野のヒットでランナーを進め、最後は森下の犠牲フライでこの回４点目を追加した。
もしマルテの２つのエラーがなければ、この回は１点どまりだった可能性が高い。その裏、岩崎が１死からツーベースを浴びていたので、１点リードでは危うかったかもしれない。４点差があったことで岩崎も余裕を持って投げられ、中日の攻撃も淡白になったのだろう。
それにしても、読売には大きく勝ち越しているのに、なぜ中日相手にはここまで苦しむのか。このカードを勝ち越したことで、対戦成績は５勝５敗とようやく五分に戻した。
首位とはいえ、読売以外で勝ち越しているのは広島とヤクルトのみで、それもそれぞれ１勝差にとどまっている。現在、首位から４位までが1１．５ゲーム差という大混戦。次のカードは４位DeNAとの直接対決。ここで負け越すと一気に４位転落の可能性もある。
このDeNA戦、そしてその次の広島戦が、交流戦前の大きなヤマ場になりそうだ。
