2005年のむちゃくちゃしたれの試合を思い出したわ。黒田ヘッドがよく選手をまとめて審判への怒りを相手チームに向け、水谷コーチ、中西コーチが勝利にこだわった的確な判断をしてくれた。そして、何より選手たちが負けてなるもんかと意地を見せてくれたのが嬉しいね。
3回表の攻撃。鶴のヒット、鳥谷死球で2死1・2塁。ここでマートンがライトへ大きな当たりを放つ。打った瞬間ホームランかと思ったが、広いナゴヤドームではそこまでは届かない。フェンス直撃の打球をライト平田がダイレクトにキャッチしてバックホームするも、1塁から鳥谷もホームインして2点を先制した…はずだった。しかし、1塁塁審の名幸が直接捕球したとしてアウトのジャッジを下した。
和田監督がベンチを飛びだして執拗に抗議をしたが判定は覆らず。逆に抗議時間が5分を超えた事で退場処分となる。責任審判の山本が経緯を説明するものの、和田監督退場の説明のみで、抗議の原因となった判定については何も言わなかった。
このことで黒田ヘッド、水谷コーチに加え、選手も猛抗議し、最後は選手をベンチから引き上げさせた。
まず、審判4人制だと外野の際どいプレーは判断が難しい場合がある。今はホームランについてのみビデオ判定が取り入れられているが、線審がいないことをカバーするために外野のプレー全般にビデオ判定を認めるべきだと思う。
次に、抗議をしても審判が判定を検証することもなく、審判団が集まっても4人の審判の誰かがどう見たかというだけで終わっていることも問題がある。今回の場合は平田がバックホームしていることから、ダイレクト捕球ではなかったと思われるが、そういった状況も加味して検証すべき。
3つ目に、審判の権威か何かわからんが、抗議をしたところで審判が誤審を認めることはないこと。判定が絶対に覆らないのなら、抗議は単なるパフォーマンスでしかない事になる。誤審と分かったなら素直に認めるべき。審判の権威とは一度下したジャッジを一切変えないことではなく、正しいジャッジをすることだと思う。
試合後、報道陣に名幸が「真実と事実という言葉があるじゃないですか」と言ったそうだが、そんなまどろっこしい言い方をするんじゃなく、審判団から正式に「あれは誤審でした」と言えばいい。
しばらくして選手が出てきて、黒田ヘッドが監督代行で試合再開。
ところが、4回裏に鶴が森野にソロホームランを浴びて先制されると、よりによって平田にもレフトへソロホームランを浴びてしまう。どちらも甘く入った失投。理不尽な判定で監督が退場になり、何がなんでも勝たないといけない試合。そんな試合でこんなピッチングをしてるようではアカン。
打線も4回、5回と大野に抑えられ、反撃の「は」の字も見られない。4回先頭の新井に期待してたのに、あのサードゴロはないで。5回の西岡も怒りで力が入り過ぎてたのか1塁ファールフライに倒れる。
ところが、6回先頭の鳥谷の内野安打で流れが変わる。センター前に抜けそうな当たりに井端が追いついたものの1塁セーフ。リプレイで見る限りアウトなんやが、名幸がお詫びのセーフをくれたかな。3回の中日の攻撃でも完全なセーフをアウトと判定してたし、帳尻合わせでなかったら目の検査受けた方がええよ。
新井倒れて1死になって、マートンが、今度は正真正銘、レフトフェンス直撃のツーベースでチャンスを広げると、福留がライトフェンス直撃のツーベースを放つ。これもオーバーフェンスしたかどうかで抗議したが、ここはビデオ判定でツーベースと判定された。ほら、適切な措置を取ったら揉めへんねん。
本来なら同点に追いついていた筈だったが、マートンがなぜか3塁でストップ。ホームランだと思ってゆっくり走ってたんかな。
このボーンヘッドを良太の一振りが救った。前進守備のレフト和田の頭を越す、逆転となる2点タイムリーツーベース。更に清水もセンター前に弾き返して追加点を上げると、関本、西岡が四球を選び満塁。俊介の当たり損ねの打球は大きくバウンドし、内野安打となってもう1点追加。名幸の判定から流れがこちらに傾き、一挙5点のビッグイニングとなった。
7回には2死から良太が死球で出塁すると、清水のライト前ヒットで1・2塁。ここで檜山がライト線へツーベースを放ち、ダメ押しの2点が入った。代打通算打点2位タイは不本意な押し出し死球で達成したが、単独2位はきっちりとタイムリーで決ることが出来てよかったね。
投手陣は4回で鶴をスパッと代えると、5回はボイヤーが打者4人に1四球、2奪三振と無難に抑え、来日初勝利をゲット。
逆転してからも久保、松田、安藤、加藤と必死の継投。勝利への執念を感じられた。
2005年のときはあの試合がターニングポイントになった。今年もこの試合がペナントレースの流れを変えてくれたらええね。