先制スリーランを打たれ、同点に追いついても、直後に2点を取られる、悪い流れの試合展展開。それでも、驚異の粘りでサヨナラ勝ち。WBC史上に残る、素晴らしい試合だった。
1点ビハインドの9回裏。先頭の大谷がツーベースを放った。セカンドベース上で「俺に続け」とベンチを煽る。続く吉田正尚は勝負を避けられたように四球で歩く。そして、バッターはこの日3三振の村上。この打席だけでも打ってくれと祈る。すると村神様が降臨。センターオーバー、フェンス直撃のツーベースを放ち、走者一掃のサヨナラタイムリー。鳥肌が立つようなサヨナラ劇。侍ジャパンの底力を見せて貰った。
打線は6回までメキシコ先発サンドバルの変化球と、レフトのアロサレーナの巧い守備に阻まれて、0のイニングが続いた。
一方、先発の佐々木朗希は序盤を無失点に抑えるが、疲れが見え始めた4回、フォークが落ちなかったところを捉えられ、スリーランホームランを打たれて先制を許した。
日本打線は7回にようやく目覚める。吉田正尚が起死回生のスリーランを放って同点に追い付いた。低めのチェンジアップをすくい上げて、片手でライトポール際に放り込んだ。
この大会、大谷ばかりがクローズアップされているが、吉田正尚は出場選手トップの13打点を稼いでいる。打率でもチームトップの.474。大谷がチームを引っ張っているなら、吉田正尚が後ろから押しているという感じか。
しかし、直後に山本由伸が打たれて、再び2点のリードを許してしまう。せっかく同点に追い付いた直後、それも試合終盤の8回に2点のビハインドを背負う事になって敗色濃厚になる。
ところが、ここから打線が底力を見せる。8回、代打山川穂高がの犠牲フライで1点差に迫る。9回の攻撃は大谷から。一気にサヨナラ勝利の期待が高まった。そして、冒頭のサヨナラ劇。誰がこんな試合展開を想像しただろうか。
逆転サヨナラ劇になったポイントは守備にあったと思う。
7回表の甲斐の盗塁阻止した場面。8回表、湯浅がタイムリーを打たれた時に3点目の走者をホームでアウトにした場面。これら2つのプレーで試合の流れを引き寄せたのだろう。
さあ、決勝は全米オールスターチーム。強力な'ボスキャラをやっつけたら、まだ大ボスが残っていたという感じがする。優勝目指して頑張って貰いたい。