想像以上にブラジルは強いやん。敗戦濃厚な雰囲気の終盤、代打攻勢が成功して逆転勝利。苦しみを乗り越えたことでチームがまとまったように見えた。
マー君の立ち上がり、先頭のオルランドの1・2塁間を破りそうな当たりに鳥谷が追いつくも、送球がバッターランナーに当たり、いきなり無死2塁のピンチ。続くプリンは、糸井が辛うじて追いつく、大きなライトフライ。ホッとしたのも束の間、3番レジナットにレフト前に運ばれて、僅か8球で1点を取られた。
強化試合のこれまでの投球内容を見ていて、ある程度点を取られるのは覚悟してたが、いきなりバッター3人にヒット性の当たりを打たれるとは思っていなかった。
2回にも2安打されながら、何とか無失点で切り抜けたものの、このイニングで降板。あまりにも早い交代に驚いたが、球数が23球なので、福岡ラウンドで名誉挽回の登板をさせるつもりかも。
打線は3回に4番糸井のタイムリーで追いつくと、4回には坂本の犠牲フライで逆転に成功。
しかし、直後にレジナッドのツーベース、佐藤のタイムリーで同点にされ、5回にはオルラッドのバントヒット、レジナットのタイムリーツーベースで再逆転を許してしまった。
オルランドの足でかき回し、レジナッドのバットで返す。これこそ日本代表チームがしたかった戦い方なんやろうけど、お株を奪われた形になった。
5回以降ノーヒットに抑えられ、反撃の手がかりもなく試合は8回まで進む。
たまに映るベンチの風景は、腕組みをしてじっと動かない山本監督、済まなさそうな顔のマー君、心配そうに戦況を見つめる阿部、まるでお通夜のような暗さ。
このままずるずると負けそうな気配が濃厚だったが、この回先頭の内川のヒットで出塁。糸井の送りバントで1死2塁とすると、代打井端のライト前タイムリーで同点に追いついた。これで一気にベンチが活気づいた。
長野の内野安打、鳥谷四球で1死満塁にすると、バッターは代打阿部。初球を叩いて、打球はセンターへ抜けそうな低いライナー。この打球にセカンドが飛びついて打球を叩き落とし、1塁ランナーの鳥谷はフォースアウト。その間に3塁ランナーの井端がホームインして逆転に成功。捕られてたら間違いなくゲッツーだったところ。ツキに恵まれていた。
ベンチの雰囲気も明るくなり、まるで呪縛から解き放たれたような感じに見えた。そうすると松田にもタイムリーがでて更に1点を追加。2点差にしたことで、気分的にも相当楽になったと思う。
8回裏からキャッチャーは阿部。手負いのチームリーダーがマスクを被ることでチームを引っ張る。
ここで能見が登板。第2戦の2番手辺りと思ってたのでちょっと以外だった。能見は、この日投げたピッチャーの中で一番素晴らしい内容だった。ストレートも良し、制球も良し。シーズン中の乗りに乗っているときのようなピッチングを見せてくれた。
9回は牧田が登板し、ヒットを1本打たれたものの無難に抑え、2点差を守りきった。
この試合、苦しんだ分チームが一丸となり、強い侍になったように思う。